H夫妻は、家を建てた際も、東京のマンションで2人暮らしだった頃からのアンティークのものを好んで使っていました。テーブルも使い継がれてきたフランスのものでしたが、家族が増えたことですこし小さいと感じていた時にご相談いただきました。
最初にお伺いしてテーブルを囲んだ時、テーブルの何気ないディティールと対面の距離感に、Hさんが大切にしている考えが表れていると感じました。長年使い続けたこのテーブルの雰囲気を大切にしたいと感じ、様式やディティール、触感をデザインに落とし込みました。
ある日、レコードを聞くわたしたちのリビングでの打ち合わせした際、引越しから箱に入ったままの沢山のレコードがあることが話題になりました。リビング空間に美しく収納する方法があれば、レコードを出しても良いかも。ということになり、収納も合わせて提案させていただきました。
H邸のダイニングテーブルは、作業には邪魔にならず、キッチンから振り返るように料理を運び、また反対側のレコード棚には手が届きます。3世代がテーブルを囲むこともできるし、対角に座れば、夫婦のよい距離を保つことができます。こどもが寝静まれば、レコードをゆっくりと聞く空間になります。
時間を作るのは自分の努力ではなく、家具によるところも大きいとHOFF&Co.は考えています。家族のほどよい距離感を作るテーブルができました。